元方安全衛生管理者の職務は?

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【質問】元方安全衛生管理者として法的に必ず実施すべき職務は?

法律で定められているので元方安全衛生管理者を選任していますが、元方安全衛生管理者が法的に必ず実施しなければならない職務は何ですか?

【答え】特定元方事業者が講ずべき措置のうち技術的事項を管理する必要があります

労働安全衛生法30条第1項に記載されている特定元方事業者が講ずべき措置のうち技術的事項を管理する必要があります。具体的には6つの項目があります。6つの項目を要約すると以下の内容です。

  1. 協議組織の設置及び運営
  2. 作業間の連絡及び調整
  3. 作業場所の巡視
  4. 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育の指導及び援助
  5. 仕事の工程計画や機械・設備等の配置に関する計画の作成及びそれらに関する関係請負人への指導
  6. その他労働災害を防止するための必要な事項

元方安全衛生管理者の職務について解説

元方安全衛生管理者についての法的根拠

元方安全衛生管理者の選任

元方安全衛生管理者の選任については、労働安全衛生法第15条の2に記載されています。

元方安全衛生管理者

前条第1項又は第3項の規定により統括安全衛生責任者を選任した事業者で、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行うものは、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、元方安全衛生管理者を選任し、その者に第30条第1項各号の事項のうち、技術的事項を管理させなければならない

2 第11条第2項の規定は、元方安全衛生管理者について準用する。この場合において、同項中「事業者」とあるのは「当該元方安全衛生管理者を選任した事業場」と読み替えるものとする

労働安全衛生法第15条の2

元方安全衛生管理者の職務

元方安全衛生管理者の職務については、労働安全衛生法第30条第1項に記載されています。元方安全衛生管理者は、これらの項目のうち技術的事項を管理する必要があります。

特定元方事業者等が講ずべき措置

特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。

1 協議組織の設置及び運営を行うこと

2 作業間の連絡及び調整を行うこと

3 作業場所を巡視すること

4 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと

5 仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあっては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。

6 前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項

労働安全衛生法第30条1項

元方安全衛生管理者の増員又は解任

労働災害を防止するために必要があると労働基準監督署長が認めるときは、元方安全衛生管理者の増員又は解任を命ずることができます。

労働安全衛生法第11条は安全管理者についての条文ですが、元方安全衛生管理者について準用します。また、その際は「事業者」とあるのは「当該元方安全衛生管理者を選任した事業場」と読み替えるものとするとされています。

以下の内容が労働安全衛生法第11条2項です。

安全管理者

2 労働基準監督署長は、労働災害を防止するために必要があると認めるときは、事業者に対し、安全管理者の増員又は解任を命ずることができる。

労働安全衛生法第11条2項

労働安全衛生法第11条2項を元方安全衛生管理者として読み替えたものが、以下の内容です。

元方安全衛生管理者

2 労働基準監督署長は、労働災害を防止するために必要があると認めるときは、当該元方安全衛生管理者を選任した事業者に対し、元方安全衛生管理者の増員又は解任を命ずることができる。

労働安全衛生法第11条2項(読み替え)
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