【質問】不安全行動を分類しようとしています。わかりやすい分類方法はありませんか?
不安全行動の分析を行っています。わかりやすい不安全行動の分類方法はありませんか?
【回答】「知らない」「できない」「やらない」「ヒューマンエラー」の4種類に分類する方法があります。
不安全行動は「知らない」「できない」「やらない」「ヒューマンエラー」の4種類に分類することができます。
不安全行動の分類について解説
不安全行動の分類については、厚生労働省が12種類に分類をしています。これは、事業者が労災発生時に労働基準監督署へ提出する死傷病報告の内容などをもとに分類を行っており、全国の労災についての統計情報が公開されているため、とても有効な情報源となります。
一方、この分類は、統計に適した分類方法の側面があり、労災防止のための不安全行動の分類方法としては不十分な部分があります。
そこで、もう少し現場に即したわかりやすい不安全行動の分類方法として、「知らない」「できない」「やらない」「ヒューマンエラー」の4つの分類方法があります。
「知らない」について
「知らない」ことによる不安全行動とは、知識不足が要因として発生する不安全行動です。
安全に作業を行うためには、正しい作業方法を教育等で知る必要があります。安全衛生法で様々な教育を義務付けているのは、知識不足による労災を防ぐことが目的の1つです。
「できない」について
「できない」ことによる不安全行動とは、技術や技能が不足していることによる不安全行動です。経験が浅く技術や技能が不足しているケースなどが考えられます。
知識や理論だけではなく、実際に体を動かしてトレーニング等を行い、安全な作業方法を習得する必要があります。
「やらない」について
「やらない」ことによる不安全行動とは、意欲の欠如等により「自分は大丈夫」と考えて作業ルールを逸脱するなどによる不安全行動です。
ベテランの方が「このルールを逸脱しても怪我をしなかった」という自分の過去の経験により、ルールを逸脱することを正当化するケースなどがあります。
意欲の欠如は心の問題であり、ルールを守ることがなぜ必要なのかの動機付けが必要です。そのためには、信頼関係の構築や職場全体の雰囲気が大切なので、日々のコミュニケーションや安全衛生活動の取り組みにより、安全マインドの構築が重要です。
「ヒューマンエラー」について
「ヒューマンエラー」については、心理学や認知科学などにより様々な研究が進められています。
ヒューマンエラーの種類は、「ミステイク」「スリップ」「ラプス」などがあります。
人間である以上、ヒューマンエラーを完全になくすことはできません。そのため、ヒューマンエラーが起きたとしても災害につながらないような、フェールセーフの考え方が重要です。