なぜ、作業前にKY活動・危険予知を行うことが労災を防ぐために重要なんですか?

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【質問】労災を防ぐためには作業前のKY活動が重要だと言われています。なぜでしょうか?

労災を防ぐためには作業前にKY活動を行うことが重要だと言われています。なぜでしょうか?感覚としては理解できるのですが、科学的な根拠などはあるのでしょうか?

【解答】人間には「選択的注意」という特性があります。KY活動によってその特性を利用して、安全作業を行うことが可能になります。

人間には「選択的注意」という特性があります。これは、心理学・認知科学で明らかになっている人間の特性です。

作業前のKY活動により安全意識を高めることで「選択的注意」という特性により、作業時に安全を意識しやすくなり、選択的注意により危険に気が付きやすくなります。

選択的注意とは

人間は意識したものにしか注意を向けることができません。意識していないものについては、例え視界の中に入っていたとしても、気づくことができません。これは心理学・認知科学で明らかになっていることであり、「選択的注意」と呼ばれます。

選択的注意の例

選択的注意の実験

選択的注意については、ハーバード大学が実施した有名な実験があります。「選択的注意テスト」で検索すると実験動画がありますので、是非やってみてください。


カクテルパーティー効果

多くの人が話をしているような賑やかな状況でも、自分が関係する話は聞こえることがありますよね。この現象も選択的注意の一種であり、カクテルパーティ効果と言います。

手品

手品を見たこと、ありますよね?手品って不思議ですよね。いつも騙されます。手品には種があり、種の種類は様々ですが、基本的な原理は「選択的注意」の性質を利用しています。観客の注意を何処かに頭間に、手品の種を使用して、観客を驚かせています。

KY活動と選択的注意の関係

選択的注意の特性を活かすためには、作業中に「安全(危険)」に注意を向ける必要があります。KY活動はそのきっかけです。KY活動により危険に注意を向けやすくなり、「選択的注意」の特性により危険に気付きやすくなり、安全に作業をすることができます。KY活動と選択的注意の関係は以下のとおりです。

  1. 作業前にKY活動を行う
  2. KY活動により、今日の作業の危険のポイントを認識する
  3. 危険のポイントを意識した状態で作業を開始する
  4. 危険のポイントを意識することで「選択的注意」の特性により、危険に気付きやすくなる
  5. 危険に気付きやすくなるため、危険を回避しやすくなり、安全に作業をすることができる。
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