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【質問】蛍光光度分析方法とは何ですか?どのような分析方法ですか?
作業環境測定に出てくる蛍光光度分析方法とは、どのような原理の分析方法ですか?
【回答】蛍光光度分析方法は、電子が蛍光としてエネルギーを発散する現象を利用した分析方法です
蛍光光度分析方法は、励起された電子が基底状態に戻る過程でエネルギーを蛍光として発散する現象を利用した分析方法です。
蛍光とは
蛍光とは、光を吸収して励起した分子が光を放出する発光の一種です。
ある物質に紫外部または可視部の光を照射すると、内部の電子が励起されて高いエネルギー準位に遷移します。このとき照射した光のうち、物質に吸収された光の強度を波長との関係で示したものを吸収スペクトルまたは電子スペクトル・励起スペクトルといいます。励起された電子は、電子基底状態に戻る過程でエネルギーの一部を蛍光として発散します。
蛍光光度分析方法の特徴
蛍光光度分析は一般の吸光光度分析より10倍から1000倍検出感度が高いことが多く、化合物の種類による特徴的な励起スペクトルと蛍光スペクトルを示すことにより、物質の定性、定量分析に用いられます。
蛍光は気体、液体、固体のいずれでも発生します。しかし、液体の場合は発生する蛍光の強度が強く、その強度を測定しやすいという特徴があるため、一般的に蛍光光度分析は液体試料で行われます。
蛍光光度分析の短所
全ての物質が蛍光を発するわけではないので、対象物質が限定されます。
蛍光光度分析が関連する法令
蛍光光度分析が関連する法令を紹介します。
令第21条第7号に掲げる作業場の濃度の測定は、別表第1の上欄に掲げる物の種類に応じて、それぞれ同表の中欄に掲げる試料採取方法又はこれと同等以上の性能を有する試料採取方法および同表の下欄に掲げる分析方法又はこれと同等以上の性能を有する分析方法によらなければならない。
作業環境測定基準第10条(抜粋)
物の種類 | 試料採取方法 | 分析方法 |
アルファ-ナフチルアミン及びその塩 | 液体捕集方法 | 吸光光度分析方法又は蛍光光度分析方法 |
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参考文献
作業環境測定のための分析概論