【質問】職長教育の法的根拠は何ですか?
監督者に対して職長教育を実施しなければならないと認識していますが、職長教育は法的に求められている教育なのでしょうか?また、教育の内容等は法律で決まっているのでしょか?
【答え】職長教育は労働安全衛生法第60条で定められた安全衛生教育です
職長教育は労働安全衛生法第60条で定められています。教育のカリキュラムと時間についても労働安全衛生法第60条および労働安全衛生規則40条に明記されています。
職長教育の法的根拠の解説
安全衛生教育
安全衛生教育
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくことになった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く)に対し、次の事項について、厚生労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行わなければならない。
1 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。
2 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
3 前二号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの。
労働安全衛生法第60条 安全衛生教育
職長等の教育を行うべき業種
上記の労働安全衛生法第60条の「業種が政令で定めるもの」について、労働安全衛生法施行令第19条(職長等の教育を行うべき業種)に記載されています。
職長等の教育を行うべき業種
法第60条の政令で定める業種は、次のとおりとする。
1 建設業
2 製造業。ただし、次に掲げるものを除く
イ 食料品・たばこ製造業
ロ 繊維工業
ハ 衣服その他の繊維製品製造業
ニ 紙加工品製造業
ホ 新聞業、出版業、製本業及び印刷物加工業
3 電気業
4 ガス業
5 自動車整備業
6 機械修理業
労働安全衛生法施行令第19条 職長等の教育を行うべき業種(抜粋)
労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの
上記の労働安全衛生法第60条の「労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの」について、労働安全衛生規則第40条(職長等の教育)に記載されています。
職長等の教育
法第60条第3号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
1 法28条の2第1項又の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること(※リスクアセスメント)
2 異常時等における措置に関すること
3 その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること
労働安全衛生規則第40条1項 職長等の教育(抜粋・追記)
職長教育のカリキュラム
職長等の教育
2 法第60条の安全又は衛生のための教育は、次の表の上欄に掲げる事項について、同表の下欄に掲げる時間以上行わなければならないものとする
※同表について、下に記載
労働安全衛生規則第40条2項 職長等の教育(抜粋・追記)
事項 | 時間 |
法第60条第1号に掲げる事項 1 作業手順の定め方 2 労働者の適正な配置の方法 | 2時間 |
法第60条第2号に掲げる事項 1 指導及び教育の方法 2 作業中における監督及び指示の方法 | 2.5時間 |
前項(労働安全衛生法40条1項)第1号に掲げる事項 1 危険性又は有害性の調査の方法 2 危険性又は有害性等の調査の結果に基づき講ずる措置 3 設備、作業等の具体的な改善の方法 | 4時間 |
前項(労働安全衛生法40条1項)第2号に掲げる事項 1 異常時における措置 2 災害発生時における措置 | 1.5時間 |
前項(労働安全衛生法40条1項)第3号に掲げる事項 1 作業に係る設備及び作業場所の保守管理の方法 2 労働災害防止についての関心の保持及び労働者の創意工夫を引き出す方法 | 2時間 |