管理権原者とは何ですか?何故「権限」ではなく「権原」という字なんですか?

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管理権原者とは何ですか?何故「権限」ではなく「権原」という字なんですか?

消防法に出てくる管理権原者とは何ですか?

何故「権限」ではなく「権原」何ですか?

「権限」と「権原」の違いは何ですか?

管理権原者とは「管理について権原を有する者」であり、法律上の原因を指すため「権原」という単語です

管理権原者とは「管理について権原を有する者」です。

管理権原者は、法律上の原因を有する者を指すため「権原」という単語を使用しています。

権原は「ある行為をすることを正当なものとする法律上の原因」であり、権限は「法令、契約に基づいてすることができる権能の範囲」です。

管理権原者に関する消防法の条文

管理について権原を有する者」について記載されている主な消防法の条文は、以下のものがあります。

  1. 防災管理者の選任(消防法第8条)
  2. 統括防災管理者の選任(消防法第8条の2)
  3. 防火対象物の定期点検(消防法第8条の2の2)
  4. 防火対象物の定期点検の特例申請(消防法第8条の2の3)
  5. 避難上必要な施設の管理(消防法第8条の2の4)
  6. 防災管理者・統括防災管理者の選任(消防法第36条)

防火管理者の選任

防火管理者の選任について、消防法第8条に記載されています。

消防法第8条

 学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない。

消防法第8条

統括防災管理者の選任

統括管理者の選任について、消防法第8条の2に記載されています。

消防法第8条の2

 高層建築物(高さ31メートルを超える建築物をいう。第8条の3第1項において同じ。)その他政令で定める防火対象物で、その管理について権原が分かれているもの又は地下街(地下の工作物内に設けられた店舗、事務所その他これらに類する施設で、連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたものをいう。以下同じ。)でその管理について権原が分かれているもののうち消防長若しくは消防署長が指定するものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちからこれらの防火対象物の全体について防火管理上必要な業務を統括する防火管理者(以下この条において「統括防火管理者」という。)を協議して定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物の全体についての消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、当該防火対象物の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設の管理その他当該防火対象物の全体についての防火管理上必要な業務を行わせなければならない。

消防法第8条の2

防火対象物の定期点検

防火対象物の定期点検について、消防法第8条の2の2に記載されています。

消防法第8条の2の2

 第8条第1項の防火対象物のうち火災の予防上必要があるものとして政令で定めるものの管理について権原を有する者は、総務省令で定めるところにより、定期に、防火対象物における火災の予防に関する専門的知識を有する者で総務省令で定める資格を有するもの(次項、次条第1項及び第36条第4項において「防火対象物点検資格者」という。)に、当該防火対象物における防火管理上必要な業務、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の設置及び維持その他火災の予防上必要な事項(次項、次条第1項及び第36条第4項において「点検対象事項」という。)がこの法律又はこの法律に基づく命令に規定する事項に関し総務省令で定める基準(次項、次条第1項及び第36条第4項において「点検基準」という。)に適合しているかどうかを点検させ、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。ただし、第十七条の三の三の規定による点検及び報告の対象となる事項については、この限りでない。

消防法第8条の2の2

防火対象物の定期点検の特例申請

防火対象物の定期点検の特例申請について、消防法第8条の2の3に記載されています。

消防法第8条の2の3

 消防長又は消防署長は、前条第1項の防火対象物であつて次の要件を満たしているものを、当該防火対象物の管理について権原を有する者の申請により、同項の規定の適用につき特例を設けるべき防火対象物として認定することができる。

 第1項の規定による認定を受けた防火対象物について、次のいずれかに該当することとなつたときは、当該認定は、その効力を失う。

 当該認定を受けてから3年が経過したとき(当該認定を受けてから3年が経過する前に当該防火対象物について第2項の規定による申請がされている場合にあつては、前項の規定による通知があつたとき。)。

 当該防火対象物の管理について権原を有する者に変更があつたとき。

 第1項の規定による認定を受けた防火対象物について、当該防火対象物の管理について権原を有する者に変更があつたときは、当該変更前の権原を有する者は、総務省令で定めるところにより、その旨を消防長又は消防署長に届け出なければならない。

消防法第8条の2の3

避難上必要な施設の管理

避難上必要な施設の管理について、消防法第8条の2の4に記載されています。

消防法第8条の2の4

 学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、当該防火対象物の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設について避難の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理し、かつ、防火戸についてその閉鎖の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理しなければならない。

消防法第8条の2の4

自衛消防隊の設置

自衛消防隊の設置について、消防法第8条の2の5に記載されています。

消防法第8条の2の5

 第8条第1項の防火対象物のうち多数の者が出入するものであり、かつ、大規模なものとして政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定めるところにより、当該防火対象物に自衛消防組織を置かなければならない。

消防法第8条の2の5

防災管理者・統括防災管理者の選任

防災管理者・統括防災管理者の選任について、消防法第36条に記載されています。

消防法第36条 

 前項の建築物その他の工作物のうち第8条第1項の防火対象物であるものにあつては、当該建築物その他の工作物の管理について権原を有する者は、同項の規定にかかわらず、前項において読み替えて準用する同条第1項の防災管理者に、第8条第1項の防火管理者の行うべき防火管理上必要な業務を行わせなければならない。 

 第1項の建築物その他の工作物のうち第8条の2第1項の防火対象物であるものにあつては、当該建築物その他の工作物の管理について権原を有する者は、同項の規定にかかわらず、第1項において読み替えて準用する同条第1項の統括防災管理者に、第8条の2第1項の統括防火管理者の行うべき当該防火対象物の全体についての防火管理上必要な業務を行わせなければならない。

消防法第36条

権原と権原の違い

権原とは「ある行為をすることを正当なものとする法律上の原因」であり、権限とは「法令、契約に基づいてすることができる権能の範囲」です。

消防法上の管理権原者とは「管理について権原を有する者」です。

すなわち、「防火対象物について正当な法令上の原因を持っている者」を指しているため、「権原」という単語が使われています。

権原とは

権原という単語を辞書で調べると、以下のように記載されています。

権原 

ある行為をすることを正当なものとする法律上の原因。例えば、地上権、賃借権等を有する者が他人の土地に工作物を設置している場合に、その地上権、賃借権等がこれに当たる。ただし、占有については、正当か否かを問わず、占有するに至った原因を全て権原という。 

法令用語辞典第5版

権限とは

権限という単語を辞書で調べると、以下のように記載されています。

権原 

1行政法上、国家又は公共団体の機関が法令の規定に基づいてその職権を行い得る範囲。 

2私法上、ある人が他人のために法令、契約に基づいてすることができる権能の範囲。 

法令用語辞典第5版
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