【質問】有機溶剤作業主任者の選任が必要な作業の定義は?
有機溶剤を取り扱う作業を行う場合は作業主任者の選任が必要だと思っていますが、全ての作業において選任が必要でしょうか?
【答え】法令で定められた有機溶剤業務を行う場合は必要です
法令で定められた「有機溶剤業務」を行う場合は、有機溶剤作業主任者の選任が必要です。「有機溶剤業務」については、有機溶剤中毒予防規則の第1条に記載があり、12種類の業務が明記されています。
有機溶剤作業主任者の選任が必要な作業について解説
有機溶剤作業主任者の法的根拠
作業主任者を選任すべき作業
有機溶剤作業主任者の法的根拠は、労働安全衛生法施行令第6条22項に記載されています。
作業主任者を選任すべき作業
22 屋内作業場又はタンク、船倉もしくは坑の内部その他厚生労働省令で定める場所において有機溶剤を製造し、又は取り扱う業務で、厚生労働省令で定めるものに係る作業
労働安全衛生法施行令第6条22項(抜粋)
有機溶剤作業主任者の選任
労働安全衛生法施行令第6条22項で定められている「厚生労働省令で定めるものに係る作業」については、有機溶剤中毒予防規則第19条に規定されています。
有機溶剤作業主任者の選任
令第6条第22号の厚生労働省令で定める業務は、有機溶剤業務のうち次に掲げる業務以外の業務とする。
① 第2条第1項の場合における同項の業務(※有機溶剤の少量使用に基づく、関係法令の一部の適用除外)
② 第3条第1項の場合における同項の業務(※有機溶剤の少量使用に関する労働基準監督署の認定に基づく適用除外)
2 事業者は、令第6条第22項の作業については、有機溶剤作業主任者技能講習を終了した者のうちから、有機溶剤作業主任者を選任しなければならない。
有機溶剤中毒予防規則 第19条(抜粋・加筆)
有機溶剤作業主任者の選任が必要な有機溶剤業務
有機溶剤中毒予防規則第19条に記載されているとおり、有機溶剤作業主任者の選任が必要なのは「有機溶剤業務」を行う場合です。
この「有機溶剤業務」について、有機溶剤中毒予防規則第1条6項に定義が記載されています。
定義等
この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる
6 有機溶剤業務
次の各号に掲げる業務をいう。
イ 有機溶剤を製造する工程における有機溶剤のろ過、混合、攪拌、加熱又は容器若しくは設備への注入の業務
ロ 染料、医薬品、農薬、化学繊維、合成樹脂、有機顔料、油脂、香料、甘味料、火薬、写真薬品、ゴム若しくは可塑剤又はこれらのものの中間体を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、撹拌又は加熱の業務
ハ 有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務
ニ 有機溶剤含有物を用いて行う文字の書込み又は描画の業務
ホ 有機溶剤等を用いて行うつや出し、防水その他物の面の加工の業務
ヘ 接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務
ト 接着のために有機溶剤等を塗布された物の接着の業務
チ 有機溶剤等を用いて行う洗浄又は払しよくの業務
リ 有機溶剤含有物を用いて行う塗装の業務
ヌ 有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務
ル 有機溶剤等を用いて行う試験又は研究の業務
ヲ 有機溶剤等を入れたことのあるタンクの内部における業務
有機溶剤中毒予防規則第1条(抜粋)