【質問】有機溶剤作業を行っている場所に必要な掲示物は何ですか?
有機溶剤作業を行っている場所には色々な看板がありますが、種類が多くよくわかりません。法的に必要な看板はどれですか?
【回答】一般的な有機溶剤作業場所には「作業主任者の職務」の看板、「有機溶剤等使用の注意事項」の看板、「有機溶剤等の区分の表示」の看板が必要です。
作業主任者の職務を記載した「作業主任者の職務」の看板、有機溶剤等の使用時の注意事項を記載した「有機溶剤等使用の注意事項」の看板、有機溶剤の区分をわかりやすく表示するための「有機溶剤の区分の表示」の看板が必要です。
「作業主任者の職務」の看板 の商品リンク
任者の職務を記載した「作業主任者の職務」の看板 の商品リンクを以下に記載します。
「有機溶剤等使用の注意事項」の看板 の商品リンク
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「有機溶剤等の区分の表示」の看板 の商品リンク
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有機溶剤作業場所に掲示する掲示物の法的根拠について解説
作業主任者の職務
有機溶剤作業主任者を選任している作業場では、「作業主任者の職務」の看板が必要です。
作業主任者の職務の掲示についての法的根拠は、労働安全衛生規則第18条「作業主任者の氏名等の周知」です。
作業主任者の氏名等の周知
事業者は、作業主任者を選任したときは、当該作業主任者の氏名及びその者に行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならない。
労働安全衛生規則第18条 作業主任者の氏名等の周知
また、「見やすい箇所に掲示する等」について、昭和47年9月18日基発第601号で記載されています。
「見やすい箇所に掲示する等」の等には、「氏名」については、当該作業主任者に腕章をつけさせる、特別の帽子を着用させる等の措置が含まれる物であること。
昭和47年9月18日基発第601号
有機溶剤等使用の注意事項
屋内作業場等において有機溶剤業務を行う場合は、「有機溶剤等使用の注意事項」の看板の掲示が必要です。
「有機溶剤等使用の注意事項」の看板の法的根拠は、有機溶剤中毒予防規則第24条「掲示」です。
掲示
事業者は、屋内作業場等において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、次の事項を作業中の労働者が容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示しなければならない。
1.有機溶剤の人体に及ぼす作用
2.有機溶剤等の取り扱い上の注意事項
3.有機溶剤による中毒が発生した時の応急処置
2.前各号に掲げる事項の内容及び掲示方法は、厚生労働大臣が別に定める。
有機溶剤中毒予防規則第24条 掲示
掲示が必要な内容及び掲示方法
掲示が必要な内容及び掲示方法について、労働省告示第123号に記載されています。(以下、労働省告示第123号)
有機溶剤の人体に及ぼす作用について掲示すべき内容は次のとおりとする。
- 頭痛
- けん怠感
- めまい
- 貧血
- 肝臓障害
有機溶剤等の取り扱い上の注意事項について掲示すべき内容は、次のとおりとする。
- 有機溶剤を入れた容器で使用中でないものには、必ずふたをすること。
- 当日の作業に直接必要のある量以外の有機溶剤等を作業場内へ持ち込まないこと。
- できるだけ風上で作業を行い、有機溶剤の蒸気の吸入をさけること。
- できるだけ有機溶剤等を皮膚にふれないようにすること。
有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置について掲示すべき内容は、次のとおりとする
- 中毒にかかった者を直ちに通風のよい場所に移し、速やかに衛生管理者その他の衛生管理を担当する者に連絡すること。
- 中毒にかかった者を横向きに寝かせ、できるだけ気道を確保した状態で身体の保温に努めること。
- 中毒にかかった者が意識を失っている場合は、消防機関への通報を行うこと。
- 中毒にかかった者の呼吸が止まった場合や正常でない場合は、速やかに仰向きにして心配蘇生を行うこと。
掲示方法は、次に定めるところによるものとする
- 掲示は、掲示板によって行うこと。
- 掲示物の材質は、木質、金属その他の硬質のものであること。
- 掲示板の大きさは、縦0.4メートル以上、横1.5メートル以上とすること。
- 掲示板の表面は、白色とすること。
- 掲示板に記載する文字は、黒色とすること。
- 掲示板の第一行目に「有機溶剤等使用の注意事項」と表示すること。
有機溶剤等の区分の表示
屋内作業場等において有機溶剤業務を行う場合は、「有機溶剤等の区分の表示」の看板の掲示が必要です。
有機溶剤等の区分の表示の看板の法的根拠は、有機溶剤中毒予防規則第25条「有機溶剤等の区分の表示」です。
有機溶剤等の区分の表示
事業者は、屋内作業場等において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、当該有機溶剤業務に係る有機溶剤等の区分を、作業中の労働者が容易に知ることができるよう、色分け及び色分け以外の方法により、見やすい場所に表示しなければならない。
2 前項の色分けによる表示は、次の各号に掲げる有機溶剤等の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める色によらなければならない。
1 第一種有機溶剤等 赤
2 第二種有機溶剤等 黄
3 第三種有機溶剤等 青
有機溶剤中毒用棒規則第25条 有機溶剤等の区分の表示
有機溶剤等の区分の表示の目的と方法
有機溶剤等の区分の表示の目的と方法について、昭和35年10月31日基発第929号に記載されています。(以下、昭和35年10月31日基発第929号)
- 本条の規定は、労働者に対して、その現に取り扱っている有機溶剤等の区分を知らしめることを目的とするものであるから、同一作業場において2以上の有機溶剤業務を行い、区分の異なる有機溶剤等を取り扱っている場合は、それらの区分を一括表示することなく、それぞれの業務に従事する労働者が自らの取り扱っている有機溶剤等の区分を知りうるように表示すべきものであること
- 表示方法については、所定の色をもって着色されたものであれば、旗、板、紙等のいずれによるを問わないが、労働者が容易に識別しうる程度の鮮明さ及び大きさをもつものでなければならないこと。
有機溶剤等の区分の表示の色と文字
有機溶剤等の区分の表示の色と文字について、昭和53年8月31日基発第479号に記載されています。(以下、昭和53年8月31日基発第479号)
- 有機溶剤等の区分の表示は、当該区分に応じた色の地に、当該区分を文字で記載することが望ましいものであること
有機溶剤等の区分の表示の色分け以外の方法
有機溶剤等の区分の表示の色分け以外の方法ついて、平成13年7月16日基発第634号に記載されています。(以下、平成13年7月16日基発第634号)
- 有機溶剤等の区分の表示は、色分けによる方法と併せて色分け以外の方法によることとしたこと。なお、色分け以外の方法とは、当該区分を見やすい文字で記載する等の方法をいうこと。