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【質問】ろ過捕集方法とはどのようなサンプリング方法ですか?
作業環境測定の「ろ過捕集方法」とは、どのようなサンプリング方法ですか?
【回答】ろ過捕集方法について、作業環境測定基準第1条に定義が記載されています。
ろ過捕集方法の定義は、作業環境測定基準第1条に記載されています。
ろ過捕集方法を行う場合は、捕集対象に合わせて留意事項があります。
ろ過捕集方法とは
ろ過捕集方法とは、試料空気をろ過材を通して吸引することにより当該ろ過材に測定しようとする物を捕集する方法です。
ろ過捕集方法では、浮遊中の粒子状物質のどのようなサイズの粒子を捕集し、捕集した物の分析方法をどのような方法で行うのかということが、使用するフィルターや流量計、吸引ポンプ等の選定に関わってきます。
ろ過捕集方法の定義
ろ過捕集方法の定義について、作業環境測定基準第1条に定義が記載されています。
ろ過捕集方法
試料空気をろ過材(0.3μmの粒子を95%以上捕集する性能を有するものに限る。)を通して吸引することにより当該ろ過材に測定しようとする物を捕集する方法をいう。
作業環境測定基準第1条
また、上記「作業環境測定基準第1条」内の「ろ過材」について、「昭和51年6月14日 基発第454号」に解説が記載されています。
第5号の「ろ過材」には、ろ紙及びメンブランフィルターが含まれること。
昭和51年6月14日 基発第454号
捕集対象物質ごとのフィルターの留意事項
捕集対象によって、それぞれ使用するフィルターの留意事項があります。
粉じんの場合
・フィルターの吸湿性
・フィルターの捕集効率
繊維状物質の場合
・浸液滴下によるろ紙の透明度
・フィルターの捕集効率、圧力損失
化学物質の場合
・フィルターの中の重金属等の含有率
・フィルターの捕集効率、圧力損失
多孔状フィルターのポアサイズについての留意事項
多孔状フィルターには、ポアサイズ(孔径)が表示されていますが、ポアサイズは捕集できる粒子の大きさの下限を示す物ではありません。
ポアサイズが数μmであっても、0.3μmの粒子に対して95%以上の捕集率を持っています。