【質問】予防規定に記載すべき事項は何ですか?
予防規定を作成しているのですが、何を記載すべきかわかりません。
予防規定に記載すべき事項は何ですか?
法令に記載されていますか?
【回答】予防規定に記載が必要な事項は、危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規定に定めなければならない事項)に記載されています。
予防規定に記載が必要な事項は、危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規定に定めなければならない事項)に記載されています。
予防規定には、危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規定に定めなければならない事項)第1項の項目について記載が必要です。
また、「大規模地震対策特別措置法」の「強化地域」、「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」の「推進地域」、「日本開溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」の「推進地域」に指定されている場合は、特別な内容の記載が必要です。
予防規定の法的根拠
予防規定の作成に関する法的根拠は、消防法第14条の2(予防規定)です。
消防法第14条の2(予防規定)
政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の火災を予防するため、総務省令で定める事項について予防規程を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。
② 市町村長等は、予防規程が、第10条第3項の技術上の基準に適合していないときその他火災の予防のために適当でないと認めるときは、前項の認可をしてはならない。
③ 市町村長等は、火災の予防のため必要があるときは、予防規程の変更を命ずることができる。
④ 第1項に規定する製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者及びその従業者は、予防規程を守らなければならない。
⑤ 第11条の五第四項及び第5項の規定は、第3項の規定による命令について準用する。
消防法第14条の2(予防規定)
総務省令で定める事項
消防法第14条の2の「総務省令で定める事項」について、危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規定に定めなければならない事項)に記載されています。
危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規程に定めなければならない事項)
消防法第14条の2第1に規定する総務省令で定める事項は、次項、第4項又は第6項に定める場合を除き、次のとおりとする。
一 危険物の保安に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。
二 危険物保安監督者が、旅行、疾病その他の事故によつてその職務を行うことができない場合にその職務を代行する者に関すること。
三 化学消防自動車の設置その他自衛の消防組織に関すること。
四 危険物の保安に係る作業に従事する者に対する保安教育に関すること。
五 危険物の保安のための巡視、点検及び検査に関すること(第十号に掲げるものを除く。)。
六 危険物施設の運転又は操作に関すること。
七 危険物の取扱い作業の基準に関すること。
八 補修等の方法に関すること。
八の二 施設の工事における火気の使用若しくは取扱いの管理又は危険物等の管理等安全管理に関すること。
八の三 製造所及び一般取扱所にあつては、危険物の取扱工程又は設備等の変更に伴う危険要因の把握及び当該危険要因に対する対策に関すること。
八の四 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所にあつては、顧客に対する監視その他保安のための措置に関すること。
九 移送取扱所にあつては、配管の工事現場の責任者の条件その他配管の工事現場における保安監督体制に関すること。
十 移送取扱所にあつては、配管の周囲において移送取扱所の施設の工事以外の工事を行う場合における当該配管の保安に関すること。
十一 災害その他の非常の場合に取るべき措置に関すること。
十一の二 地震が発生した場合及び地震に伴う津波が発生し、又は発生するおそれがある場合における施設及び設備に対する点検、応急措置等に関すること。
十二 危険物の保安に関する記録に関すること。
十三 製造所等の位置、構造及び設備を明示した書類及び図面の整備に関すること。
十四 前各号に掲げるもののほか、危険物の保安に関し必要な事項
2 大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)第3条第1項の規定により地震防災対策強化地域として指定された地域(以下「強化地域」という。)に所在する製造所等の所有者、管理者又は占有者(同法第6条第1項に規定する者を除く。次項において同じ。)が定める予防規程に係る法第14条の2第1項に規定する総務省令で定める事項は、前項各号に掲げる事項のほか、次のとおりとする。
一 大規模地震対策特別措置法第2条第3号に規定する地震予知情報及び同条第13号に規定する警戒宣言(以下「警戒宣言」という。)の伝達に関すること。
二 警戒宣言が発せられた場合における避難に関すること。
三 警戒宣言が発せられた場合における自衛の消防組織に関すること。
四 警戒宣言が発せられた場合における施設及び設備の整備及び点検その他地震による被害の発生の防止又は軽減を図るための応急対策に関すること。
五 大規模な地震に係る防災訓練に関すること。
六 大規模な地震による被害の発生の防止又は軽減を図るために必要な教育及び広報に関すること。
3 強化地域の指定の際現に当該地域に所在する製造所等の所有者、管理者又は占有者は、当該指定があつた日から六月以内に、当該製造所等に係る予防規程に、前項各号に掲げる事項を定めるものとする。
4 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成14年法律第92号)第3条第1項の規定により南海トラフ地震防災対策推進地域として指定された地域(次項において「推進地域」という。)に所在する製造所等の所有者、管理者又は占有者(同法第5条第1項に規定する者を除き、同法第2条第2項に規定する南海トラフ地震(以下「南海トラフ地震」という。)に伴い発生する津波に係る地震防災対策を講ずべき者として同法第4条第1項に規定する南海トラフ地震防災対策推進基本計画で定める者に限る。次項において同じ。)が定める予防規程に係る法第14条の2第1項に規定する総務省令で定める事項は、第1項各号に掲げる事項のほか、次のとおりとする。
一 南海トラフ地震に伴い発生する津波からの円滑な避難の確保に関すること。
二 南海トラフ地震に係る防災訓練に関すること。
三 南海トラフ地震による被害の発生の防止又は軽減を図るために必要な教育及び広報に関すること。
5 推進地域の指定の際現に当該地域に所在する製造所等の所有者、管理者又は占有者は、当該指定があつた日から六月以内に、当該製造所等に係る予防規程に、前項各号に掲げる事項を定めるものとする。
6 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成16年法律第27号)第3条第1項の規定により日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域として指定された地域(次項において「推進地域」という。)に所在する製造所等の所有者、管理者又は占有者(同法第6条第1項に規定する者を除き、同法第2条第1項に規定する日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震(以下「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震」という。)に伴い発生する津波に係る地震防災対策を講ずべき者として同法第5条第1項に規定する日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画で定める者に限る。次項において同じ。)が定める予防規程に係る法第14条の2第1項に規定する総務省令で定める事項は、第1項各号に掲げる事項のほか、次のとおりとする。
一 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴い発生する津波からの円滑な避難の確保に関すること。
二 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る防災訓練に関すること。
三 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震による被害の発生の防止又は軽減を図るために必要な教育及び広報に関すること。
7 推進地域の指定の際現に当該地域に所在する製造所等の所有者、管理者又は占有者は、当該指定があつた日から六月以内に、当該製造所等に係る予防規程に、前項各号に掲げる事項を定めるものとする。
危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規程に定めなければならない事項)
危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規程に定めなければならない事項)に記載せれている項目について簡単に解説します。
第1項に記載されている内容が基本的に記載が必要な事項です。
第2項、第3項は大規模地震対策特別措置法の強化地域に指定されている場合に記載が必要な事項についての条文です。
第4項、第5項が南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の推進地域に指定されている場合に記載が必要な事項についての条文です。
第6項、第7項が日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の推進地域に指定されている場合に記載が必要な事項についての条文です。
大規模地震対策特別措置法とは
危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規定に定めなければならない事項)の第2項に記載がある「大規模地震対策特別措置法」について簡単に解説します。
「大規模地震対策特別措置法」は、大規模な地震に備えて地震防災対策を強化し、国民の安全と財産を守るための特別な措置を定めた法律です。
大規模地震対策特別措置法では、「地震防災に関する対策を強化する必要がある地域」を「強化地域」として指定することになっています。現在は東海地震に係る地震防災対策強化地域として、静岡県全域及び神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、愛知県の一部が指定されています。
以下、大規模地震対策特別措置法の主な法令を記載します。
大規模地震対策特別措置法 第1条(目的)
この法律は、大規模な地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、地震防災対策強化地域の指定、地震観測体制の整備その他地震防災体制の整備に関する事項及び地震防災応急対策その他地震防災に関する事項について特別の措置を定めることにより、地震防災対策の強化を図り、もつて社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする。
大規模地震対策特別措置法第1条(目的)
大規模地震対策特別措置法 第3条(地震防災対策強化地域の指定等)
内閣総理大臣は、大規模な地震が発生するおそれが特に大きいと認められる地殻内において大規模な地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災に関する対策を強化する必要がある地域を地震防災対策強化地域(以下「強化地域」という。)として指定するものとする。
大規模地震対策特別措置法第3条(地震防災対策強化地域の指定等)
南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法とは
危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規定に定めなければならない事項)の第2項に記載がある「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」について簡単に解説します。
「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」は、南海トラフ地震による被害を最小限に抑えるための特別な措置を定めた法律です。
南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法では、「地震防災対策を推進する必要がある地域」を「推進地域」として指定することになっています。現在は指定地域として、1都2府26県707市町村が指定されています。
以下、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の主な法令を記載します。
南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 第1条(目的)
この法律は、南海トラフ地震による災害が甚大で、かつ、その被災地域が広範にわたるおそれがあることに鑑み、南海トラフ地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、南海トラフ地震防災対策推進地域の指定、南海トラフ地震防災対策推進基本計画等の作成、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域の指定、津波避難対策緊急事業計画の作成及びこれに基づく事業に係る財政上の特別の措置について定めるとともに、地震観測施設等の整備等について定めることにより、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)、地震防災対策特別措置法(平成7年法律第111号)その他の地震防災対策に関する法律と相まって、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進を図ることを目的とする。
南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法第1条(目的)
南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 第3条(南海トラフ地震防災対策推進地域の指定等)
内閣総理大臣は、南海トラフ地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域を、南海トラフ地震防災対策推進地域(以下「推進地域」という。)として指定するものとする。
南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法第3条(南海トラフ地震防災対策推進地域の指定等)
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法とは
危険物の規制に関する規則第60条の2(予防規定に定めなければならない事項)の第2項に記載がある「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」について簡単に解説します。
「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」は、日本開溝・千島海溝周辺海溝型地震による被害を最小限に抑えるための特別な措置を定めた法律です。
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法では、「地震防災対策を推進する必要がある地域」を「推進地域」として指定することになっています。現在は指定地域として、北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県の複数の市町村が指定されています。
以下、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の主な法令を記載します。
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 第1条(目的)
この法律は、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震による災害が甚大で、かつ、その被災地域が広範にわたるおそれがあることに鑑み、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域の指定、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画等の作成、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域の指定、津波避難対策緊急事業計画の作成及びこれに基づく事業に係る財政上の特別の措置について定めるとともに、地震観測施設等の整備等について定めることにより、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)、地震防災対策特別措置法(平成7年法律第111号)その他の地震防災対策に関する法律と相まって、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進を図ることを目的とする。
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 第1条(目的)
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 第3条(日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域の指定等)
内閣総理大臣は、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域を、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域(以下「推進地域」という。)として指定するものとする。
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 第3条(日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域の指定等)